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このブログについて
  • 毎週、管理者が「これは」と思った作品を記録・紹介しています(詳細)。
  • 現在、定期更新を休止中です。近日復帰予定。

Mon, 27 Feb 2006

[] 赤い猫  赤い猫 - 読書ログ@Web小説 を含むブックマーク

作者
猫んさん
サイト
猫草 > story > 中編
ジャンル
現代ファンタジー(サスペンス+猫+仕事人系)

猫のンャは公務員みたいなもんだが、ちょっと違う――政府に依頼され、裏の仕事を請け負う一匹猫。彼の仕事の顛末を描いた、少し奇妙で少しハードなおはなし。とにかく、ネコはヒトとは異なる種族なのであり、人間の社会へ組み込まれているように見えても根っこの部分では決して相容れない存在なのだ。猫のンャを中心に淡々と綴られるストーリーには終始そんな孤高感と異質感が漂っていて、政府の担当官と人語で会話するシーンに遭遇しても「本当に会話が成立しているのか」を疑いたくなってしまうような危うさがある。仕事の内容も、人間が請け負うにしては紋切り型すぎるのだけれど、猫を主役に据えると途端に幻想的なビジュアルが浮かんでくる不思議。巷の「三毛猫――」や「我輩は――」とは一線を画したハードボイルド猫小説として一読の価値あり。

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Mon, 23 Jan 2006

[] ミッド・ウィケットの交渉師  ミッド・ウィケットの交渉師 - 読書ログ@Web小説 を含むブックマーク

作者
小沢イネさん
サイト
コチと裏庭 > 物語 > ミッド・ウィケットの交渉師
ジャンル
異世界ファンタジー(児童文学+魔法学園系)

交渉師はデームという未知の生物と交渉し、彼らの意思をくむことのできる唯一の人間だ――天才交渉師イルセル・ロランズと、思いがけず彼と関わりを持つことになった落ちこぼれの「僕」を描く学園ストーリー。

海外児童文学を翻訳したような独特の文体が印象深い物語。劣等性である主人公の葛藤、天才魔術師の秘密、謎の巨人の正体――などなど、色々な要素が綴られていくのだけれど……何というか、上手く作品をまとめられない。文章はどちらかといえば硬めなのに、読んでいてとてもふわふわした幻覚みたいな感覚が残る。あとがきで「夢を元にして書かれた」と説明されていて、なるほどと納得した次第。とまれ、ハリポタ――はちょっと違うか――とにかく、こういう非RPG風ファンタジーが好きな人にはお薦めの一作。

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Mon, 12 Dec 2005

[][] 70のD  70のD - 読書ログ@Web小説 を含むブックマーク

作者
A.G.真織さん
サイト
相棒は『白いノート』門番は『緑のブリギッタ』 > <A.G.真織文庫>
ジャンル
現代ファンタジー(コメディ+幽霊+苦労人姉さん系)

何といっても、「高枝切りバサミを担いで真夜中の路地を自転車で疾走するお姉さん」のビジュアル・インパクトが凄い。その深夜行の目的は「弟の恋人が下の階に落とした下着を摘み上げるため」だというのだから、彼女の人の良さ(というか、間の悪さ)は本物である――というストーリーのコミカルな本編は短編で、ファンタジー要素はゼロ。一方、連載中の続編(長編)の方には幽霊やら妖怪やらが登場して、賑やかになった展開の随所にシリアスなシーンも。それでいて、短編の軽快なテンポはそのまま。主人公・美也子さんの受難の数々に一喜一憂しながら楽しく読める。ほのぼのした幽霊モノが好きな人はもちろん、普段はファンタジーっぽい作品を敬遠しがちな読者にもお薦め。

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Mon, 05 Dec 2005

[] 172359486  172359486 - 読書ログ@Web小説 を含むブックマーク

作者
しのねと真琴さん
サイト
ポヨレボ > ■ 小説書き出し集(html形式) > ■ 172359486
ジャンル
現代ファンタジー(17歳+願い+宇宙人系)

奇妙なタイトルに惹かれて読む。少しばかり胡散臭い女子高生コンビが、遭難した宇宙人を拾うおはなし。宇宙人は願い事をひとつだけ叶えてくれるという。欲しい物なんか腐るほどあるのに、たった「ひとつ」が分からない――そういう葛藤がいかにも青春っぽくて良い。18歳になる前に処女を捨てたい、学校の勉強には意味がない、と絶えず頭の悪そうな台詞を口にしていても、心の中では色々と考えているのである。

とはいえ、この作品のキモは本筋よりもむしろ枝葉末節の方かもしれない。思考や情景のディテールの書き込み方が独特で、読んでいて一種の快感さえ覚える。キーワードは数値と視覚、嗅覚。主人公が数字に関わる稀な記憶力を持っているという設定の影響で、随所に数値情報が埋め込まれているというのがひとつ。畳み掛けるようなビジュアル感も絶妙。それから、匂いの方は過去の記憶と未来の予感を対比させるための重要なファクターになっていたりもする。淡々と、しかし着実に前進していく展開に(ストーリーの展開という意味でも、作中の少女たちの成長という意味でも)心地良い読後感を味わえる佳作。

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Mon, 31 Oct 2005

[] 詐欺師の法則  詐欺師の法則 - 読書ログ@Web小説 を含むブックマーク

作者
EMAE Akiさん
サイト
aino > 安く 楽しく 幸せに暮らそう > Vol.1安く暮らす > 詐欺師の法則
ジャンル
現代一般(独り語り+講釈+ためになる系)

詐欺師に悩まされ続けた主人公が、その経験を生かして詐欺師への対抗策を語るという設定の作品。詐欺師とは?詐欺師の法則詐欺師を見破る方法と続く。物語というよりエッセイに近いかもしれない。本当にこれを読めば詐欺師に騙されなくなるのかという問題はともかく、饒舌な語り口調が非常に小気味良い文章。決して読みやすい文体ではないはずなのに、気が付けばそのテンポに引き込まれている自分がいる。最初は「あれ?」と懐疑的に読み始めたのに、読み終えたときには「おお!」と凄いことを知り尽くしたような気分になっている。どうにでも解釈できる抽象論があるかと思えば、やたらと具体的なアドバイスが載っていたりもする。半分の真実の中にもう半分のペテンが隠された――そう、作品自体が「詐欺」の巧妙なアナロジーになっているのである。

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