Hatena::Groupoln

読書ログ@Web小説 このページをアンテナに追加 RSSフィード

このブログについて
  • 毎週、管理者が「これは」と思った作品を記録・紹介しています(詳細)。
  • 現在、定期更新を休止中です。近日復帰予定。

Mon, 09 Jan 2006

[] 足の下の君に  足の下の君に - 読書ログ@Web小説 を含むブックマーク

作者
和之川 故さん
サイト
ワニワライ > text > 足の下の君に
ジャンル
現代ファンタジー(ホラー+しみじみ系)

早朝、宵闇、あるいは曇り空の下――街に影盗人が現れる。たとえ影を失っても死ぬ訳じゃない、病気になる訳でもない――ただ、孤独になるだけだ。

温かいホラー、というカテゴライズが適切なのかどうか分からないけれど、これはとにかくそういうおはなし。花束を抱えて街を行くその男はどんな過去を持ち、何を思うのか。そして、影盗人とはそもそも何者なのか。もちろん、謎の多くは最後まで謎のまま残る。しかし、そうした雑多な想像を走らせることで、原稿用紙10枚に満たない物語が読者の頭の中で何倍にも膨らむ――本作に限らず、それが掌編の醍醐味。よくある小品といってしまえばその通りなのかもしれないけれど、こういう作品は美味しい水みたいなものでいくらでも読める。

トラックバック - http://oln.g.hatena.ne.jp/sqrt/20060109

Mon, 02 Jan 2006

[][] 縁の下の女の子《接近遭遇編》  縁の下の女の子《接近遭遇編》 - 読書ログ@Web小説 を含むブックマーク

作者
神秋昌史さん
サイト
ゆめかみ! > 縁の下
ジャンル
現代ファンタジー(ほのぼの+妖怪+不思議少女系)

妖怪屋敷に越してきた一家と、そこに住み着いていた妖怪たちとの出会いを描くコメディ。気持ち良いくらいに邪気のないエンターテインメント――妖怪たちは嫌がらせをするだけで人間に危害を加えないし、父親が事業に失敗して逃げてきたという設定の割に借金を背負っている訳でもなさそう――で、心を空っぽにして素直に楽しめる。

父親は妖怪マニアで母親はオバケ嫌い、クールな息子に無邪気な娘――と各種性格の取り揃えられた人間一家もさることながら、愛すべきキャラクターばかりの妖怪サイドが魅力的。水木しげるで育った読者としては「やっぱり日本の妖怪はこうだよなぁ」と一種感慨深いものがある。それから、伝統的な妖怪たちに加えて謎の差し入れ少女や無気力少女(妖怪)が登場するあたりは現代的な配役――ということなのだろうか。いずれにしろ、中編、後編と続くらしいシリーズの展開が楽しみな作品。妖怪たちのさらなる活躍に期待したい。

タイトルを修正しました:前編→接近遭遇編

トラックバック - http://oln.g.hatena.ne.jp/sqrt/20060102

Mon, 19 Dec 2005

[] 金太郎の打ち上げ花火  金太郎の打ち上げ花火 - 読書ログ@Web小説 を含むブックマーク

作者
ほうきんさん
サイト
ほうきん物語 > 金太郎の打ち上げ花火
ジャンル
現代ファンタジー(金魚視点+コメディ+下町人情系)

金魚の、金魚による、金魚のための、ハートウォーミング水槽活劇。何はともあれ、主人公・金太郎おじさんのキャラクターが「粋」の一言。子供好きで面倒見が良く、それなりの見栄もある。遠山の金さんとフーテンの寅さんを足して2で割ったようなイメージ。数多のポイを掻い潜り、金魚すくい社会を生き延びてきた彼は、子供たちのちょっとした英雄だ――そんな金魚たちを取り巻くユニークな物語を、リズミカルな会話主体の文章で小気味良く読ませてくれる良作。

トラックバック - http://oln.g.hatena.ne.jp/sqrt/20051219

Mon, 12 Dec 2005

[][] 70のD  70のD - 読書ログ@Web小説 を含むブックマーク

作者
A.G.真織さん
サイト
相棒は『白いノート』門番は『緑のブリギッタ』 > <A.G.真織文庫>
ジャンル
現代ファンタジー(コメディ+幽霊+苦労人姉さん系)

何といっても、「高枝切りバサミを担いで真夜中の路地を自転車で疾走するお姉さん」のビジュアル・インパクトが凄い。その深夜行の目的は「弟の恋人が下の階に落とした下着を摘み上げるため」だというのだから、彼女の人の良さ(というか、間の悪さ)は本物である――というストーリーのコミカルな本編は短編で、ファンタジー要素はゼロ。一方、連載中の続編(長編)の方には幽霊やら妖怪やらが登場して、賑やかになった展開の随所にシリアスなシーンも。それでいて、短編の軽快なテンポはそのまま。主人公・美也子さんの受難の数々に一喜一憂しながら楽しく読める。ほのぼのした幽霊モノが好きな人はもちろん、普段はファンタジーっぽい作品を敬遠しがちな読者にもお薦め。

トラックバック - http://oln.g.hatena.ne.jp/sqrt/20051212

Mon, 05 Dec 2005

[] 172359486  172359486 - 読書ログ@Web小説 を含むブックマーク

作者
しのねと真琴さん
サイト
ポヨレボ > ■ 小説書き出し集(html形式) > ■ 172359486
ジャンル
現代ファンタジー(17歳+願い+宇宙人系)

奇妙なタイトルに惹かれて読む。少しばかり胡散臭い女子高生コンビが、遭難した宇宙人を拾うおはなし。宇宙人は願い事をひとつだけ叶えてくれるという。欲しい物なんか腐るほどあるのに、たった「ひとつ」が分からない――そういう葛藤がいかにも青春っぽくて良い。18歳になる前に処女を捨てたい、学校の勉強には意味がない、と絶えず頭の悪そうな台詞を口にしていても、心の中では色々と考えているのである。

とはいえ、この作品のキモは本筋よりもむしろ枝葉末節の方かもしれない。思考や情景のディテールの書き込み方が独特で、読んでいて一種の快感さえ覚える。キーワードは数値と視覚、嗅覚。主人公が数字に関わる稀な記憶力を持っているという設定の影響で、随所に数値情報が埋め込まれているというのがひとつ。畳み掛けるようなビジュアル感も絶妙。それから、匂いの方は過去の記憶と未来の予感を対比させるための重要なファクターになっていたりもする。淡々と、しかし着実に前進していく展開に(ストーリーの展開という意味でも、作中の少女たちの成長という意味でも)心地良い読後感を味わえる佳作。

トラックバック - http://oln.g.hatena.ne.jp/sqrt/20051205
このブログについて
  • カテゴリーやジャンルで記事を絞り込みたいときは、ページ最上部のフォームに「[短編] [SF]」のようなフレーズを入力して「日記」を押してみてください。
  • 短編=昼休みに読める、中編=一晩で読める、長編=一晩では無理――を(およそ)基準にしています。
  • 「直リンクOK」と明記されているサイトおよびブログ以外はトップページにリンクしています(作品への直リンクがある場合も、トップから辿る方が作品の背景などが分かってより楽しめるかもしれません)。
  • ジャンルは管理者が適当に分類したものであり、作者さんの意図とは異なる可能性があります。
  • 読書傾向はライトノベル・娯楽小説系の作品に偏っています(具体的にはオンライン小説読書に関する46の質問を御参照ください)。
  • 週1回、月曜日に更新予定です。
  • 基本的に作者さんへ紹介の御報告を差し上げていますが、連絡先が不明の場合など無断で紹介している作品もあります。
  • 表現上の問題点や誤読箇所、リンク切れなどがありましたら、トラックバックかコメントフォームを御利用になるか、または左記連絡先へお知らせください。